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Multimeter USM-223 and Modifications!(Part 2)

Rugged Nice Analog Multimeter,USM-223 for Your Shack ! (Part 2 : Modification)
アナログ・テスタはシャックの必需品.頑丈な軍用テスタなどいかが?(Part.2:改造編)

(Ver.1.0: May 5th 2008+Ver.1.1a: May 6th 2008+Ver.1.1b: May 11th 2008)

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written by Takahiiro Kato JA9TTT/JH1WBU, Saitama JAPAN

http://ja9ttt.homedns.org/hamf/mymes/USM-223_P02.html


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このページの目的
このページでは、長い間安価に販売されていてポピュラーな米軍用テスタ・AN/USM-223を紹介し、その実用化のための簡単な改造を説明します. Part.1:解説編およびPart.2:改造編(いま見ているページ)の2部構成です.

もし、USM-223に馴染みがなければ、Part 1に戻って順にご覧下さい.(言うまでもないことですが、改造は自己責任で行なって下さい)


あえてUSM-223を使う理由
手軽で高性能な国産品がある以上、あえて使う理由などないのかも知れません.アナログ・テスタは、いまでもシャックでは有用な測定器ではありますが、USM-223でなくてはならない理由はありません.しかし購入してしまった以上、使える状態にするのは意地のようなものかも知れませんね.ただし、それなりに高性能ですし長年の使用にも十分耐えるスグレモノの測定器ですから、整備して手元に置く意味は十分見いだせます. それに、他の人は滅多に持っていない独特の恰好いい(?)Looksなので、周囲の意表を突くにも十分かも知れませんよ.ヤスモノのテスタを出すよりも、ず〜っとハッタリが効きます.(それが良かったりして・爆笑)

USM-223を実用にするための課題
チェック済み・動作保証品を購入すると電池も付いてくるようです.しかしそれは$110-もするので勿体ないです.Used-Reparable($40-)を買う人が多いのではないでしょうか? こちらは電池がついてきませんから、まずはそこで悩むことになるようです. USM-223の指定は軍用の電池ですが、昔なら同等の写真用水銀電池があったらしいのです.しかし水銀電池は全滅ですから、もはや入手の見込みはほとんどありません. 電池は生モノですからも、もしも長期在庫品があったとしても使用期限をとっくに過ぎているでしょう. もし電池付き動作品を購入したところで、その電池が切れたらオシマイでは悲しいです. 結局、USM-223を実用にするうえでの最大の問題は電池にあると思います.

自身、入手したものの電池には困りました.同等に使えるらしい電池を海外で見付けたのですが、明らかに特殊で送料を考えると高価なものです.カメラのように改造の余地がなく、それでなくては困るなら別ですがUSM-223は改造で十分対応できそうです. 入手が容易な一般的な乾電池で済むようにしておけば、補充の苦労もありません.まずは、電池に関する改造が一つの課題でしょう.

もう一点、冷静沈着なお方ならスイッチの切り忘れは絶対にしないのかもしれません. しかし慌て者の私には切り忘れ防止のパイロット・ランプが不可欠なように感じます.今のLEDは少ない電流で高輝度ですから電池の消耗も大して気になりません. 切り忘れによる電池切れを防げるので、使おうと思ったら「あっ、電池が!」はありません.(たぶん・笑)

測定器には「校正」が付き物です.USM-223も再校正で初期の精度に復帰できます.全レンジの精度確認を行なうには相応の校正装置が必要ですが、ポイントの校正だけなら案外簡単にできます.殆どが無調整にできているからで、特定の部品に破損が無ければ、ポイントの校正だけで十分に全体の精度が維持できるようです. もともとがアナログのテスタですから、他のデジタル・テスタを使った比較校正でも十分な精度に校正できると思います.経年変化で少々ずれたなと感じたら、校正しておけば安心できます.


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USM223_21_Kouseizu.jpg USM-223の構成と電池の入れ方
図は、USM-223のテクニカル・マニュアルにある挿絵です.これらのものが揃ってUSM-223が構成されます.乾電池の入れ方が書いてあるのですが、少々わかりにくいので、注釈しておきました.改造の際にも、この辺がわからないとやりにくいので、真っ先にオリジナルの状態を調べたわけです.

図では合計7個の電池が使われています. 6個使ってあるBA1312と言う小型の電池が問題の水銀電池です.この水銀電池は、太さが単三乾電池(AAサイズ)と同じで、高さが約1/3のものです.USM-223の電池ボックスには少々無理すると単三乾電池が入るので、勘違いして入れてしまう人があるようです. しかし1.5Vではまともに動作しないはずです.水銀電池は無負荷の時の起電圧が約1.35V、負荷時の電圧は約1.3Vです.しかし、入手はほぼ絶望的ですから探すよりも別の手を考えるほうが賢明です. 中央にある、大きな電池:BA42又は、BA2042と言うのは単二サイズ(Cサイズ)のアルカリ・乾電池のようです.こちらは一般的ですから問題ありません.なお、BA42とBA2042のサイズは同じで、違いはBA2042が寒冷地仕様とのことです.


USM223_22_UM2_Batt.JPG B1電池の入れ方
USM-223には、B1、B2、B3と言う3群の電池が必要です.まずはB1と言う電池を入れます.これは、改造なしで大丈夫です.背面にある電池ボックス中央に入れれば良く、単二サイズ(Cサイズ)のアルカリ電池を使います.写真では普通のマンガン電池を入れていますがテスト時のものです.測定の安定性を考えると使用中の電圧が一定しているアルカリ乾電池が適当です.なお、少々入れにくいのですが、幅7mmくらいの紙片(名刺くらいの厚みが良い)をプラス極の溝にさしこんで電池の出っ張り部を滑らせると簡単に入ります.


USM223_23_Int_Batt_Mod.JPG B2、B3電池の代用方法(改造方法)
B2とB3と言う2群の電池が必要です.それぞれ、1.3Vの水銀電池を3本直列にしたものです.しかし、入手しにくいので、単三乾電池(AAサイズ)が使えるように改造します.

単三電池が三本入る電池ボックスは少々特殊で、近所のホームセンタにはありませんでした.二本用と一本用を両面テープで貼り合わせて作りました.三本用が入手できれば勿論それでも良いです.電池ボックスはUSM-223の下カバーに穴を開けてネジ止めしても良いのですが、最近は強力で劣化しにくい両面テープがあります.カー用品売り場に良いものがあります.あらかじめ配線を済ませた後、写真のように貼り付けました.

単三電池を3本直列にして4.5Vの電池を2組作ります.電池はマンガン電池でも良いのですが、内蔵になる関係で液漏れするとUSM-223の寿命を縮めます.写真のような100円均一の乾電池はダメだと言うつもりはありませんが、信頼できるメーカー品を使って下さい.液漏れに関しては経験からみて松下電池工業の乾電池がいちばん優れていると思います.(テストした後で信頼できる電池に交換しました)装着は写真に示したような極性に、もとの電池ボックスの所にあるネジに配線します.電池ボックスからの配線にはタマゴ型ラグをハンダ付けしておきます.なお水銀電池との電圧の違いを補正するために、抵抗を1本追加する簡単な改造が必要です.改造については以下に示します.


USM223_23_Int_Batt_Mod.JPG 抵抗の追加
単三電池を使う改造を行ったら、右のツマミで、抵抗無限大の所(メータのフルスケール)に合わせられません.水銀電池よりも電圧が高くなったからです.検討の結果、可変抵抗R37(5kΩ)が不足しているので補う方法が一番容易そうでした.(注:他の方法もあるかも知れません)直列に2.4KΩを入れれば良いのですが、入れやすい場所がありません.やむなく、基板パターンをカットして、追加することにしました.端の部分ですから作業は難しくありません.下の方に改造回路図がありますので現物と見比べながら作業して下さい.この抵抗を追加するだけでおしまいです.


USM223_25__ADJ_ZERO.JPG 簡単な使い方(1)
簡単に抵抗測定モードの扱い方を説明します.まずは、ファンクションスイッチ(右)をOHMSのポジションに切換えます.測定レンジ(左スイッチ)は、OHMS×1にセットします.続いて、2本のテストリードの先端をショートさせ、指針がゼロオームの位置になるよう「OHMS ZERO」ツマミをゆっくり回します.


USM223_26__ADJ_INF.JPG 簡単な使い方(2)
スイッチは上記と同じ状態のまま、続いてテストリードの先端を開放します.すると、指針がフルスケール近くを示すはずです.メータ右下の「OHMS INF」(抵抗無限大)ツマミを調整して、指針がスケール右端の無限大(∞マーク)の位置を示すようにします.二つのツマミは相互に影響があります.上記の「OHMS ZERO」と、「OHMS INF」は数回繰り返して、先端ショートでゼロ、開放で無限大を示すようになるまで調整します.その後、抵抗の測定ができるようになります. なお、一旦合わせると「OHMS INF」の狂いは少ないようですから、次回使うときはまずは「OHMS ZERO」を調整してみると良いようです.


USM223_27_Panel.jpg USM-223の改造箇所について
図はこれから説明する、改造箇所を示すものです.青いパイロット・ランプは以下の改造で追加したものです.また、購入したUSM-223にはテクニカル・マニュアルに記載がない改造が施されていました.


USM223_28__Diode_Test.JPG ダイオード・テスト用改造
USM-223は100mVと言う低い電圧で抵抗を測定するように設計されています.その結果、普通のテスタのように抵抗計を使ったダイオードのテストができません.それでは不便だという現場の声に答えたのがこの改造だったのでしょう.購入時から施されていました.図の黄色いジャックと、その脇に貼ってある「D」の文字のダイモテープがそれです.全てのUSM-223に改造がある訳ではないようですが、Webでも結構見かけます.

調べてみたら使い方は簡単でした. まず、ファンクションスイッチをOHMSの位置にします.レンジは×1〜×10,000のどこでも良く、赤のリードは写真の黄色のジャックに刺します.ゲルマニウム・ダイオードの順方向なら、指針はスケールの約1/3を、シリコン・ダイオードなら約2/3を示します.逆方向ですと無限大の位置のままです.なお、黒のリードにプラスが出るので黒をダイオードのアノードに、赤をカソードに接続すると順方向です.測定時には、短絡電流で18mAくらい流れるようでした.また、電圧が低いのでLEDのテストはダメなようです.


USM223_29_ADD_PL01.JPG パイロット・ランプ追加
前にも書きましたが、抵抗測定レンジの切り忘れによる電池切れを防くために、良くわかるパイロットランプを付けてみました.写真のブルーのLEDがそれです.

付けてみたら効果的なので悪くない改造だと思いましたが、最初は迷ったのです.実は元々の消費電流は案外少なかったからです.乾電池・B2とB3は、220〜270μAしか消費していないのです.(B1は約5mA流れています) もちろん、高輝度のLEDを使いますが、点灯させるための電流は、もとの回路の消費電流より大きくなってしまいます. 現状では約800μAほど流しているので、電池の負荷は約1mAになりました. 単三乾電池にとっては十分少ない電流ではありますが、元の3〜4倍も消費するようになってしまいました.

しかし、抵抗測定ばかりするなら別ですが、そうでないことが多く、また万一切り忘れたら、知らぬ間にどんどん電池は消耗します.たとえ元の4倍になっても、切り忘れ防止の効果の方が大きいと考えました.使用頻度が低く保管状態が長くなりそうな測定器です.スイッチの切り忘れは致命的ですから、お薦めできる改造だと思います.なお、電池を消費するOHMSファンクションの時のみ点灯します.正面から見ると眩しい程の明るさですから、もう少し電流を減らしても良いかも知れません.

USM223_30_ADD_PL02.JPG パネルの端から9mm入った位置に、φ5mmのLEDを取付けました.高輝度なものほど良く、電流を減らすことができます.最近のLEDは驚くほど高輝度なので、数100μAでも眩しいほどに点灯します.


USM223_31_ADD_PL03.JPG 固定には2液混合式のエポキシ系接着剤を使いました.USM-223は一応、防滴・防水構造ですから隙間がないように接着剤を流しておきましょう.


USM223_32_ADD_PL04.JPG 配線箇所です.なお、LEDのアノード側には根元で9.1KΩ(10KΩでも良い)が入れてあります.アノード側が赤の配線、カソード側がオレンジの配線です.下の改造箇所を示す配線図も参考にして下さい.


USM223_33_SCM_Mod_01.jpg 改造箇所を配線図に纏めてみました.


USM223_34_TM.jpg 調整方法
写真は、テクニカル・マニュアル/TM11-6625-654-14(PDFフォーマット:約1.5MB)へのリンクになっています.

以下に調整手順と調整箇所を示しますので、テクニカルマニュアルを参照しながら行なって下さい.USM-223は調整箇所が少なく多くのレンジは無調整です.以下の手順で初期精度に復帰できます.

    USM-223の調整手順

  1. メータゼロの確認と調整:テスタを水平な場所に置きます.ファンクション・スイッチ(右)はOFFのポジションのまま、メーターの指針がゼロをさしているか確認します.もし、ずれている場合、メータ・スケール下方にある黒い樹脂製のネジ(マイナス)をゆっくり回して合わせます.メーターのゼロ調整ネジには、バックラッシュがあるのが普通なので、やりにくいですが数回往復すれば合うでしょう.

  2. 電流レンジの校正:信頼できる電流計と、12V程度の電源、47KΩの抵抗を用意します.USM-223の250μAレンジを校正します.これは、全ての精度を決めるので、入念に行ないます.「電源の+端子→47KΩの抵抗→信頼できる電流計→USM223→電源のマイナス端子」と言う配線を行ないます.電源電圧を加減して、信頼できる方の電流表示が250μAになるようにします.USM-223の可変抵抗R50を加減して指示が250μA(0.25mA)になるように調整します.もし、指針が振り切れるようならまずは2.5mAレンジで可変抵抗の回転方向を確認します.

  3. 直流測定の精度確認:上記の250μAの校正を行なうだけで、直流電圧、直流電流の校正は終わりです.あとは、各レンジの精度確認をしておきます.特定のレンジの精度が悪い場合、劣化した部品があるので、関係する部品を見付けて交換するしかありません.しかし、それも滅多に無いはずです.全体に同方向に精度が悪い場合は上記の250μA校正がうまくないです.

  4. 交流電圧校正(1):交流電圧は2箇所で校正します.まず、なるべく安定しているAC50V(rms)を用意します.絶縁トランスとスライダック等が良いでしょう.なるべく精度の良い交流電圧計(デジタルテスタでも良い)を用意し、USM-223(AC電圧測定で、50Vレンジ)と並列に接続します.USM-223のR42を調整して50Vになるように合わせます.なお、正規の方法はAC50V/1000Hzなのですが、普通は用意できないので50又は60Hzでやります.

  5. 交流電圧校正(2):続いて、AC2.5Vレンジを校正します.上記と同じ接続で、AC2.5V(rms)を発生させます.USM-223のR41を調整して2.5Vちょうどになるように合わせます.上記同様に、正規の方法はAC2.5V/1000Hzなのですが、50又は60Hzでやりましょう.上記の50Vとこの2.5Vは相互に影響するので数回繰り返して精度を追い込みます.

  6. オーム・ゼロVRの位置合わせ:抵抗測定の際に調整するオーム・ゼロのツマミが適当な位置になるよう調整します.まず抵抗測定モードにします.リード線の先端をショートさせます.オーム・ゼロのツマミを回してみて、ツマミの可変範囲のほぼ中央で指針をゼロにできるようなら調整は不要です.中心からどちらかに寄った位置でゼロになるなら、R36を調整してほぼ中央に来るようにします.注意としては、電池が消耗していると狂う原因になることです.古い電池なら交換してからやります.なお、この確認は電池改造のところでやっておくべきかも知れません.

  7. 全体の精度確認:直流の電圧・電流は既に済んでいるので、他のファンクションの精度確認を行ないます.直流レンジの精度が出ていれば、基本的に他のレンジも悪くないはずですが、特定のファンクション、レンジの精度が悪い場合は部品の故障があります.交換する以外に方法はありません.なお、交換部品は、回路図に指示された値の抵抗にすれば良いので、現在の計測技術で行なえば比較的容易でしょう.何本かの合成抵抗が誤差0.5%以内の精度になるようにしてやれば修理に十分使えます.但し、ワット数にも十分気を付けて下さい.

  8. ・・・・以上です.VRの位置が大きくずれるはずはないので、無闇にまわし過ぎないのがコツです.極端にずれているようなら、どこかに故障箇所があります.


エピローグ
昔々、電気工作を始めたら真っ先に欲しくなるのはテスタでした.これは、HAMでもオーディオでも同じです.電圧、電流、抵抗を測定することは回路の動作が正常か否かを見極める為には不可欠だからです.これは今でも変わらないでしょう.昨今、安物のデジタル・テスタすら持っていないHAMがいるとは何とも嘆かわしい限りです・・・. そのころ購入した三和のテスタは落下させてしまったり、幾度か誤ってレンジ抵抗を燃やしてしまいましたが、その都度点検・修理して今でも立派に使えます.国産テスタ(回路計)もかつては大量に輸出された時代がありました.日本人の手先の器用さとモノへの拘りのお陰で評判は良かったそうです.いまでは値段に押されてしまい、良質な国産テスタは過去のものになろうとしています. 性能が安定しておりレンジ・スイッチの感触に優れた愛用品を何台も買い溜めしておられるベテラン・エンジニアもおられるのだそうです.良いテスターは若い電気エンジニアの夢であり、そして使いこなすことがベテランの誇りでもあった時代はもう遠くなりましたが、いまでも指針式の良いテスタを手元に置きたいものです.

自作ではないし、まして軍用品なんて・・・と言う声も聞こえてきそうですが、改めてアナログ計器を見つめ直しました.御手元のUSM-223を使ってやって下さい.


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End of Part 2/おわり

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